法政大学のGPAは、S(4.0)からC-(0.7)までの合格10段階とD・E(0.0)の不合格2段階で計算し、D・Eの単位数も分母に入れるという全学共通の算出式で求められます(算出式とGP換算表の詳細は法政大学のGPA計算式を参照)。一方で、1年間に何単位まで登録できるか、進級に何単位必要か、GPAがいくつなら登録できる単位が増えるのかといったルールは学部ごとに違います。
同じGPA 3.0でも、所属学部によっては「履修上限が広がるライン」になり、別の学部では特に何も変わらない、ということが起こります。この記事では、法政大学が公開している資料(全学の早期卒業制度運用方針とGPA制度の説明、法学部と理工学部・生命科学部の2026年度資料、グローバル教育センターの派遣留学募集要項)を読み比べ、GPAに関わる学部別ルールを表に整理しました。
・全学:法政大学「成績評価基準及びGPA制度について」「早期卒業制度運用方針」「卒業要件」(情報公開ページ)
・法学部:2026年度法学部在学生向け事務ガイダンス資料(2026年3月18日)、法学部「履修の組み方」、法学部「早期卒業申請について」(2025年3月10日)
・理工学部・生命科学部:学務課「年間履修上限単位数について(補足説明)」(2026年4月)
・留学:グローバル教育センター「2027年度秋学期派遣留学生募集」の応募資格
入学年度によって適用される履修の手引きが異なるため、最終的には自分の入学年度の履修の手引きで確認してください。
① GPAが使われる場面(全学共通)
法政大学の情報公開ページでは、GPAは成績通知書や成績証明書などに表示され、学習成果を総合的に判断する指標とされています。そのうえで、次のような場面で使われる場合があると説明されています。
- 学修指導面談:学習状況を確認する面談の資料として使われることがあります。
- 成績優秀者奨学金の学内選考:法政大学独自の奨学金には「各学部2~4年生の前年度成績上位者(指名制)」を対象とする成績最優秀者奨学金があります。公式ページには具体的なGPAの数値基準は示されていません。
- 早期卒業・派遣留学:どちらも公式資料にGPAの数値基準が明記されています(③・④で詳しく解説)。
GPAの対象となるのは、原則として2008年度以降に開講された全学部の科目です。学部によって算出式が変わることはありません。違いが出るのは、そのGPAをどのルールの判定に使うかという部分です。
② 学部別の比較表:履修上限・進級条件・卒業要件
法学部と、同じ資料で案内されている理工学部・生命科学部から、GPAに関係するルールを抜き出したのが次の表です。
| 項目 | 法学部 (2026ガイダンス) | 理工学部 (2026年4月資料) | 生命科学部 (2026年4月資料) |
|---|---|---|---|
| 年間の履修上限(基本) | 1・2年次42単位、3・4年次44単位 | 49単位 | 49単位 |
| 学期ごとの上限 | なし | 30単位 | 30単位 |
| 上限が増える条件 | 前年度・春学期に修得できなかった単位分を上乗せ(合計48単位まで) | 前年度までの累積GPA3.0以上で年間60単位 | 前年度までの累積GPA3.5以上で年間60単位 |
| 進級条件 | 1年次終了時20単位以上、2年次終了時36単位以上、3年次終了時84単位以上など | — | — |
| 卒業要件単位 | 132単位 | 124単位 | 124単位 |
| 早期卒業のGPA基準 | 2年次終了時の累積GPA3.0以上など | — | — |
「—」は、参照した資料に該当する記載が見当たらなかった項目です。制度が存在しないという意味ではありません。卒業要件単位は法政大学の情報公開ページ「卒業要件」によります。法学部の法曹コースは履修上限が別に定められています(2・3年次48単位、4年次44単位)。
この表から読み取れるポイントは3つあります。
1つ目は、理工学部・生命科学部ではGPAで履修上限そのものが変わることです。基本の上限は年間49単位ですが、前年度までの累積GPAが基準以上なら60単位まで登録できます。基準は理工学部が3.0、生命科学部が3.5で、同じキャンパスの学部でも0.5の差があります。2月の成績発表で基準を下回った場合は49単位に戻ると案内されています。
2つ目は、法学部の上限はGPAではなく「落とした単位」で増えることです。法学部のガイダンス資料では、前年度に修得できなかった単位や春学期に不合格だった単位の分だけ登録できる単位を増やせますが、合計は48単位までです。上限が増えても、落とした科目のD・EはGPAの分母に残ったままなので、取り返すには新しい科目で良い評価を積み上げる必要があります。
3つ目は、法学部では学年ごとに進級条件があることです。1年次終了時に20単位、2年次終了時に36単位(2年次中に4単位以上の修得も必要)、3年次終了時に外国語・保健体育の必要単位を含めて84単位が条件です。進級条件は修得単位数で判定されるため、D・Eを重ねるとGPAだけでなく進級にも響きます。